売上を上げなければ…で、ハマってしまう「この思い込み」
経営者である以上、日々、頭から離れないテーマ、売り上げ増。
売り上げを上げなければ…、
頑張っても、頑張っても、大して利益が残らない。
多岐にわたる様々なタスクが次から次へと湧いてくる…。
多忙すぎて、手が回らない…。
こんな時ほど、お客さんからのクレーム対応に翻弄されたり、スタッフのミスへの対処にも振り回されたりと無駄な?時間に追い回されていることってありませんか。
とかく、面倒なお客さんに振り回される日々が続いたりすることも、そんなお客さんに限って利益が上がらないとか…。
どれだけ頑張って、売上増を達成しても、思った程、利益が上がらない、しかし、現状のまま悩んでいても、決して、それらの課題、問題点は解決しません。
むしろ、もっと悪化してしまう可能性も含んでいるかもしれません。
それは、ついついハマってしまう、「この思い込み」。
売り上げを上げるための「3つの常識」。
この常識について、今一度、考え、その常識感を捨てる必要があります。
コンテンツ
多過ぎるタスクが業績を悪化?させてしまう。
やらないといけないタスク、仕事が多過ぎ、手が回らない。
頑張っても、頑張っても、多少、売り上げは上がったとしても、思った程利益が上がっていないと言う実感を感じていることが多くありませんか。
若しくは、そのまま続けているとむしろ、悪化しているのではないかという実感かもしれませんね。
何故ならば、そのような状況下では、目の前のタスクに対する課題を、上手に処理する、とか、もっと効率的にやるとか考えてしまいます。
そして、その改善策に翻弄しても、自ずと、その結果は、今までの延長線上の結果になってしまうのは当然のことです。
今までとは違う質の売り上げ、利益を求めたい。
効率的で精神的なゆとりの持てる仕事のやり方を求めたい…、とか。
自社にとって嬉しい、理解や共感、支持を貰えるお客さんとだけお付き合いをしたいとか感じたことはありませんか。
そう感じたことが有るならば、その為には、今までとは違う価値観や違う仕事、タスクのやり方に変える必要があります。
書店やネット書店などに並ぶ様々な書籍を読み漁ったことはありませんか。
様々なセミナーや勉強会などに足繁く参加したことはありませんか。
それらの中で、売上アップや業績アップについて語る講師の方々が、まことしやかに語っている、「3つの常識」を思い出しませんか。
ずばり、その思い込みにハマっていることを、その「3つの常識」を捨てることです。
捨てるべき常識:その1【 新規顧客も含め客数を増やす 】
売り上げアップを目指すために、よく挙げられる必要な要素、方法として、次の3つが、よく挙げられます。
(1) 新規顧客も含め客数を増やす
(2) 客単価を増やす
(3) 購入頻度、リピート率を増やす
これら、3つの手法としてよく挙げられます。
しかし、私たちが取り組む施策やアクション、戦術、若しくは、書店に並ぶ多くの書籍やセミナーなどに参加し多くの講師が語られる内容は、
〖 売り上げ増=客数増 〗
つまり、“ 新規顧客も含めて客数を増やす ”という施策、見識に偏っている様に感じませんか。
ご自身でも売り上げ増への施策、戦術の企画、構築を考えた時、経験上でも、そう考えていませんでしたか。
こう言う話しをしているということは、一番重要視することは、客数増では
ないのですね。
ならば、一番重要視するべきことが「客数を増やす」ということでないとするならば、残る2つの内、
(2) 客単価を増やす
(3) 購入頻度、リピート率を増やす
大切なことは、どちらなのでしょうか。
恐らく、大半の方が「購入頻度を増やす」と考えるのではないでしょうか。
つまり、リピート率を増やすことが売り上げ増に繋がる重要なことと、書籍やセミナーなどでも語られることが多いです。
業種やお客さんの対象、事業規模によって一概には言えませんが、ちょっと見方を変えてみると、これも違います。
重要視するのは、「客単価を増やす」
正解は、そう、「客単価を増やす」が正解です。
では、それは何故なのか。
ちょっと見方を変えてみて、例えば、
あなたが目指したい利益目標を社長が得意な仕事、するべき仕事に集中し、貴社にとって良いお客さんとだけにビジネスをしたい、目標を達成したいと考えてみたことはありませんか。
もし、その様に考えたことが有るならば、
客数を増やすことに躍起になったとしたらどうなるでしょうか。
当然、社長であるあなたが、今、忙しいならば、もっと忙しくなってしまいます。
そして、必然的に、悪い、自社にとって望ましくないお客さんをもっと取り込んでしまいます。
すると、あまり望ましくないお客さんのままで、購入頻度、リピート率を増やしていくと、当然、質の悪いお客さんまでもがリピートしてしまいます。
売り上げが上がればいいのでは…と思うかもしれませんが、同時にその手間やそのお客さんに振り回されることも多くなり、その対処のために結局、利益は上がらないということが起きてしまいます。
そうならない為にも、重要視すべきことが
「 客単価を増やす 」と言うことなのです。
客単価を上げると、当然、一人当たりの利益が増えるため同様の利益を上げるためにも、従来よりも少ないお客さんの数で済みます。
その結果、社長の仕事が減り、手が空きやすくなり、その分、従業員への教育や育成する時間を確保し易くなります。
また、お客さんが増えても、その人材確保するための資金も確保し易くなります。
そして、何より大きな見返りとして、お客さんの質が上がることになります。
価格を上げるほど、質の悪い、好ましくないお客さんが減り、良いお客さんが増えます。
見た目、同様な商品でも、安売り専門のディスカウントショップにいるお客さんと、ブランドショップにいるお客さんとでは違いませんでしょうか。
しかも、どちらのお客さんが面倒で、クレームが多くて、価格以上のサービスを要求しそうでしょうか。
言わずとも前者ではないでしょうか。
それとも、それは偏見でしょうか。
品質や付加価値に興味や拘りが無く、価格でしか商品やサービスの価値を判断しない「望ましくないお客」は、価格をあげると来なくなります。
見方を変えると、価格を上げること自体がフィルターになり、好ましくないお客は来づらくなります。
では、価格を上げるとその分だけサービスや付加価値を向上させなければいけないのではと、考える方も多いとは思います。
仮に価格を倍にしたからといっても、必要なサービスレベルを倍にしなければならないわけではありません。
価格を上げた分相応に感じられる程度のサービス、付加価値の向上でも充分過ぎる満足も提供できるのです。
中小企業や零細企業の様な小さな会社は、安売り競争、価格競争では勝てません。
大企業とは違う価値観、目線で見るべきではないでしょうか。
また、「より良いものを、より安く」という概念も当てはまらないのではないでしょうか。
だから、お客さんの客単価を上げて、一人当たりの利益を確保して、一人ひとりのお客さんに対して質の高い、ハイクォリティのサービスを提供することで、当然、リピート率も購入頻度もアップしていきます。
施策の目的として、購入頻度を増やす、リピート率を上げることを目的とするのではなく、
自社にとって相応しい、好ましい、望ましいお客さんを集め、そのための資金、原資を確保するために客単価をアップすれば、「結果として」リピート率、購入頻度が上がるという考え方を持つことが重要です。
という訳で
================
【捨てるべき常識・その1】
“ 売り上げ増=客数を増やす ”
================
です。
中小企業にとって最も重要なのは、「客単価をアップする」という見識を持つことにも真意があると思いませんか。
捨てるべき常識:その2【 顧 客 志 向 】
前述で、
【捨てるべき常識・その1】は
“ 売り上げ増=客数を増やす ”
を話しましたが、
それに続いて捨てるべき常識
2つ目は何かというと、
ビジネスを語る上でも
昔流行った歌の歌詞でも聞かれたように
誰も疑うことの無い、大前提、
「顧客志向」です。
有名な歌でもあった、
お客様は神様です!とあったように、
全ては、お客様のために…とか、顧客満足度、No.1…とか、全てはお客様のために…とか、
広告のキャッチコピーや社是の中にとか、よく使われている事って多いですよね。
ひょっとしたら、あなたも社員やスタッフに対して、顧客志向の重要性についてお話ししたこともあるのではないでしょうか。
もし、当てはまっていた読者の方が見えたら、恐縮です。すいません。
全くの悪意はありません。
しかし、顧客志向って、本当に重要でしょうか。
そう、これは間違いです。
少し乱暴でした。
しかし、何故なら、顧客思考を考えるとき、いくつかのサンプルや直接のリサーチによって推定、構築していることが多くありませんか。
顧客志向というのは突き詰めて考えれば、お客さんが求めているものを提供しようと言う考え方です。
でも、お客さんはリサーチの時などに「本当のこと」を言っているのでしょうか。
そんなこと、考えたことも無いのではないでしょうか。
ひょっとして、本人も気づいていないのかも知れません。
お客さんが “ 求めているもの ” と、お客さんにとって “ 必要なもの ” とは、多くの場合、異なっていることが多いです。
例えば、痩身について。
つまり、ダイエット商材、サービスについて考えてみましょう。
お客さんが求めているものは何でしょうか。
痩せることでしょうか。
いえ、「 “ 楽に ” 痩せること」です。
食事制限無し。運動なし。
本人も口では、そんなことはあり得ない、とも言います。
でも、求めている本心、真意は、楽して痩せることを求め続けています。
つまり、お客さんが「欲しい」と口にするものと、実際に購入するものは違うのです。
まさに、お客さんは「ウソ」をつくのです。
しかも、その行動との矛盾にも気付いていないことも多いです。
お客さんが本当に欲しいのは…楽をして痩せること。
ラ◦ザ◦プではありませんが、適切な運動と、適切な食事制限があって初めて痩せるという結果が得られるのです。
でも、本当は、それは「イヤ」というのが本能なのです。
これを自身の事業に置き換えて検証してみてください。
こちらの方が必要だけど、きっと、お客さんは、こちらを欲しがるだろうな〜って感じること、ありませんでしょうか。
つまり、
==================
お客さんが「本当に」欲しいものは、
お客さんにとって必要なものではない。
==================
故に、お客さんの言葉、リサーチに従う「顧客志向」では、その商品、サービスでは売れない!と言うことなのです。
つまり、
【捨てるべき常識・その2】は
“ 顧 客 志 向 ”
ということです。
3つ目に捨てるべき常識は?
売り上げを上げるには?で…ハマってしまう、捨てるべき3つの常識シリーズについて、前述までに、
(1)客数を増やすこと、(2)顧客志向 と言うことについてお話ししました。
それでは、捨てるべき常識3つ目は何かと言うと、
それは、「どうすれば、どうしたら、売れるか?」です。
経営者ならば、社長ならば必ず、
「弊社の商品は、どうやったら売れるのだろうか?」と
考えたことは、数知れないのではないでしょうか。
しかし、その考え方、その目線が、商品が売れない理由、発想だと気付く必要があります。
理由は、至ってシンプルであり、購入するのはクライアントさん、お客さんだからです。
どれだけ頑張って営業、販売しても、お客さんが「欲しい」と思わなければ買ってもらえません。
つまり、
「どうしたら、お客さんは買いたくなるのか?」
「どうしたら、欲しい」と思って貰えるのか、と考える方が、そして、発想することが大切で重要なのです。
つい、陥りがちなことなのですが、お客さんのことを考えず、売り手の立場、売り手の目線で、物事を考えている、発想してしまうのです。
それでは、当然、商品、サービスは売れません。
滲み出る、醸し出す、ちょっとした言葉の使い方が、大きな差となる好例です。
実際に、具体的に、
「どうしたら、お客さんは、欲しいと思って、購入したくなるのだろうか?」と考えてみてください。
すると、今までとは違う、施策やアイデアが思い浮かんでは来ませんか。
というわけで、
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捨てるべき常識:「どうしたら売れるのか?」
新しい常識:「どうしたらお客さんは買いたくなるのか?」
===========================
この視点、目線の差を考え、感じてみてください。
【捨てるべき常識・その3】は
“ どうしたら売れるか? ”
と言うことです。
【まとめ】
目指したい利益目標を達成するために、社長が得意な仕事、すべき仕事に集中し、貴社にとって好ましいお客さんとだけ、ビジネスをしたいといと言う目標も合わせて達成するために、つい、思い込みがちになる、捨てるべき3つの常識についてお話ししました。
今一度まとめますと
===========================
捨てるべき常識1:「売り上げ増=客数増」
捨てるべき常識2:「顧客志向」
捨てるべき常識3:「どうすれば売れるか?」と言う考え方
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ご共感頂けましたでしょうか。
しかし、文頭にて、売り上げを上げるには?というくだりから始めた、その売り上げアップの方法、3つの要素として、
- 客数を増やす
- 客単価を増やす
- 購入頻度を増やす
を挙げましたが、実際にマーケティング施策の要素としては、この3つしかないとも言われています。
これは、米国のマーケティング・コンサルタント会社、エイブラハム・グループの創業者兼CEOである、ジェイ・エイブラハム氏が提唱したものです。
1970年代には、今でも注目されているマーケティング手法、DRM:ダイレクト・レスポンス・マーケティング戦略の開発でも知られた人物です。
この基本的な施策要素を考える時に、本能的には避けたくなる「客単価を増やす」は、とかく最後に考えがちになります。
しかし、中小企業にとっては、価値あるものは価値あるままに提供すべきでは、という価値観、考え方の思考も持ち合わせるべきではないかと考えます。
この基本的な施策要素、これを受けて考える時、
「売り上げを上げるには?」と漠然と考えるより、
「客数を増やすには?」
「客単価をアップするには?」
「購入頻度を増やすには?」
と分解して考えることも、企画検討や思考作業において、沢山のアイデアが浮かぶものと思います。
ところで、これまでにお話してきた、捨てるべき3つの思い込みをご共感頂けたなら、次に何をしたら良いのかという疑問も、お持ちではないでしょうか。
それは、ズバリ、「戦略」を立てることです。
例えば、書店やネット書店では、売り上げを上げる方法を謳う、「〜〜すれば儲かる!」、「売上アップ〜〜〜3つの戦略」などなど、そのノウハウを謳った書籍で溢れています。
しかし、それらのどれを手に取って読んでみても、「なるほど…」と感じてみても、自社にどうやって当てはめたら良いのか?…どのように運用したらいいのか?…など、消化不良のような気持ちになりませんでしょうか。
たとえ、実際に形は真似できたとしても、儲かっている、成功している会社が少ない…、どうしてでしょうか。
それは、ズバリ、戦略が無いからです。
方法論や施策案、ノウハウ、つまり戦術を実行する前に、自社の戦略が整理されていなければ、そのノウハウの活かし方、具体的なアイデアや施策内容がわからない、つまり、ちゃんとした戦術が構築できていないのです。
じゃあ、「戦略」と言って、具体的にどういうこと?って、思いませんか。
諸説ありますが、私が結構、影響を受けている、あるコンサルタントの方の説を引用させて頂くと、その方いわく、
「戦いを略すること」、「目に見えないもの」と解釈されています。
私も同感です。
更に、そのコンサルタントの方の言葉を引用、ご紹介させて頂きますと、
「何かの目標・目的を達成するために、
何をやらないのか?を明確に決めることで
本当に取り組むことを浮き彫りにします。」
「言い方を変えれば、ゴールに達成するための近道を見つけること。」
「結果、やることを減らしつつ、
高い確率で目標・目的に到達できるようになる。」
と言っています。
シンプルに言い当てていますね。
私も全く同感です。
シンプル過ぎて、自分の言葉で置き換えられないのが、
ちょっと悔しいですが(笑)
SNSをどう取り入れるか?…とか、
テレビCMをやると売り上げが上がるか?…とか
どういう広告展開をするのか?…とか
パンフレットやチラシの内容がどう?とか…
コピーライティングがどう?とか…
そもそも、それらを考える前に、本当にそれが必要なのか? その前にやることがあるのでは!って、コトです。
仮に、競合他社が取り組んでいたとしても、自社にとっては必要のないことかもしれません。
目標とするスタイルを達成するためには、「戦略」を立てること。
「やらないこと」を測る物差しを創ることが重要です。
しかし、そんな「戦略の立て方」を教えてくれる人って、まず、いません。
書籍やセミナーも殆どありません。多分?(笑)
それは、「戦略の構築」は、個々の企業によって違ってきます。
特に中小企業は、それぞれの企業によって違いが、より具体的に、明確になるのではないでしょうか。
私は、戦略を構築する時、その発想のスタートは、その会社の事業理念からスタートするものと考えています。
大綱論を論じていても、個々によって変わるものを総論で論じるには限界がありますし、余計解りにくくなります、受け手は消化不良のような印象を受けてしまうのは、そこに理由があるのかもしれませんね。
様々な書籍やセミナー、講演会、テレビ番組などでも、よく使われる言葉、「戦略」。
しかし、その本質的な使われ方は、得手して間違っていることが多く、「戦略」と表現していても、それは、実は「戦術」であることが大半です。
戦術、それは、目に見えるもの、目に見えない戦略に裏付けされた、目的達成のための手段と言えます。
理想の事業を目指すために、まずは、自社の足元をしっかりと見つめ直し、基本的なマーケティング施策、戦術論に対する多くのメッセージ、解釈も、本質的な目線を持って受け止め、今一度、自社オリジナルの「戦略」について考えてみましょう。
キーワードは、「自社は何のために、存在するのか」です。
2020.09
この記事を書いた人
- 古野 徹
- 株式会社リップル
代表取締役
マーケティング・コンサルタント
広告関連企業8社に従事して36年超。
ありとあらゆる業務を経験してきたノウハウを活かし、総合広告代理店、㈱リップルを設立する。
創業15周年の通過点に向けて、新規事業として、中小企業を対象とした、「マーケティングに関するコンサルティング事業」サービスの提供を開業。
「心を大切にコンサルティングします。」を新たな基本理念に加え、
どうやって、集客していくのか、
どうやって、売り上げを伸ばしていくのか、
どうやって、新たなお客さんやサプライヤーと繋がっていくのか、
どうやって、人財を確保していくのか、
どうやって、災害や緊急事態に対応していくのか、等々、
益々、社会での存在意義を示していくことが重要な課題になってきている中小企業に対して、わかっているようで、わかっていない「マーケティング」、今更、聞くに聞けない「マーケティング」の事など、総合的なマーケティング活動の施策支援のサービスが提供できるように、絶えず精進を続けている。
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