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「 AIDMAの法則 」、中小企業向け基礎講座。

「 AIDMAの法則 」、中小企業向け基礎講座。

 

マーケティングや広告宣伝活動などを考えるとき、欠かせない仮説として「AIDMA(アイドマ)の法則」があります。

 

 

中小企業の社長やオーナー様でも、一度は聞いたことのある法則名では無いかと思います。

 

 

アイドマの法則とは、1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が販売と広告の実務について書いた著書の中で提唱された、消費者の購買までの心理プロセスを説いた仮説です。

 

 

AIDMAの5段階の心理変化の頭文字で表し、3段階の心理カテゴリーに分けられています。

 

 

同様に、インターネット時代に入り、1995年に「電通」により提唱された、「 AISASの法則 」も合わせて解説されている記事も多いですが、本編では「 AIDMAの法則 」について、特に中小企業向けに基礎編として解説していきます。

 

 

マーケティング施策や広告戦略の策定など、また、様々な施策の事後分析、検証のフレームワークとしても今でも有効で活用範囲の広い基本の法則です。

 

 

因みに、同時期に、応用心理学者E・K・ストロング氏によって提唱された、同様な意の「 AIDCAの法則 」と言われる法則も提唱されています。

 

 

 

消費者の購買行動における5つの心理変化、

 

1.Attention(注意)

2.Interest(興味)

3.Desire(欲求)

4.Memory(記憶)

5.Action(行動)

 

 

夫々の頭文字をとって、「 AIDMA(アイドマ)の法則 」と提唱されました。

 

 

提供される商品やサービスの内容によって、一瞬でA〜A、1〜5までの心理プロセスを経過する場合や時間経過や段階ごとに経過していく場合や、商品やサービス、個々の状況によって異なります。

 

 

 

それでは、この基本の法則について入門編として解説します。

 

 

 

5段階の心理変化プロセス、AIDMA

 

消費者は商品やサービスの情報を知って、購入に至るまでの心理変化を表したアイドマの法則。

 

 

マーケティング施策や広告宣伝や各種戦略の策定を考える場合に、基本とする法則、指針でもあります。

そして、各種施策の事後分析、検証時のフレームワークとしても利用される指標ともなります。

 

 

  1. Attention / 注意を引いて、(知ってもらう)
  2. Interest  / 興味を持ってもらい、
  3. Desire  / 欲しいと思ってもらい、
  4. Memory / 覚えてもらい、
  5. Action  /(そして)買ってもらう。

 

 

アイドカの法則では、「 4.Memory 」の部分が「 Conviction:確信 」、“ 確信して ”、と変わります。

 

 

 

これが消費者の購買までの心理変化のプロセスです。

 

心理学的にも人間の行動に対する心理変化の法則としても指標とされています。

 

 

 

更に、3つの心理カテゴリーに大別される AIDMA 。

 

消費者の購買までの心理変化を5段階に説いたアイドマの法則ですが、更に、3つの心理カテゴリー段階に分けられます。

 

 

Attention:商品やサービスに関心を持つ、存在を知るは、「 認知段階 」 、

Interest:興味を持つ、Desire:欲しいと思う、Memory:記憶する・おぼえる、の3つのプロセスを「 感情段階 」、

最後のAction:行動する・購入する、を「 行動段階 」という3つの心理カテゴリーの段階に分けられます。

 

 

 

3段階の心理カテゴリー、5つの心理変化プロセスをいかに進めるかを考え、アプローチするためには、様々な媒体選択やプロモーションをミックスする必要があります。

 

 

その組み合わせは、夫々の商品やサービスの内容、市場でのニーズやウォンツの状況によって、個々に考えていかねばなりません。

 

 

 

商品、サービスによって、展開するマーケティング施策、コミュニケーション施策は、個々によって変わります。

 

 

既に、市場においてニーズが成熟しており、競合もなく目標とする数のマーケットが存在すれば、認知的な広告活動でも一瞬でA〜Aの心理プロセスを経過して、即、販売に結びつき目標を達成できるかもしれません。

 

 

しかし、その商品やサービスを知ってもらうだけでなく、ウォンツを育成しなければならない、また、理解を深めなければならない、覚えてもらわなければならない状況ならば、目標や目的に合わせた、マーケティング施策やプロモーションを企画、構築しなければなりません。

 

 

メッセージとの接触頻度、媒体の選択、出稿期間、そして、かく媒体ごとのメッセージの内容も、夫々の目標、目的に応じて、プロモーションやコミュニケーション施策を企画、展開しなければなりません。

 

 

 

オフラインの広告かだけで、また、Webサイト上のコピーライティング的なことだけで、A➔I➔D➔M➔Aの心理変化を誘導することができる商材ばかりではありません。

 

 

まずは、自社の商品やサービスが市場でどのようなカテゴリー、心理プロセスのどの段階にあるかをよく検証、分析して把握することから始めましょう。

 

 

 

目標、目的に応じたコミュニケーション・プラン、接触頻度と内容を意識して。

 

例えば、「 Attention/注意を引いて、知ってもらう 」ためにテレビCMを利用する場合を想定してみましょう。

 

 

CM素材の内容、メッセージ内容も感性を交えて比較的、商品名中心のメッセージとします。(それ相応のクォリティを想定します)

 

 

露出量(総視聴率/GRP)を短期的に相応な量を出稿した場合は、注目を集め、商品の存在を知ってもらうことが可能になります。

 

 

しかし、中期的長期的な期間出稿を重ねることにより、「 Interest/興味を持ってもらう 」ことも可能です。

 

更に、継続的な広告出稿中に、ユーザーの潜在意識が何かの切っ掛けで「 Desire/欲しいと思う 」心理段階に進んだりすることもあります。

また、「 Memory/覚えてもらう 」という心理段階に進むことも可能になるかもしれません。

 

 

短期的な時間軸では、まずは知ってもらう事、合わせて、テレビCMを利用する事で、認知段階という心理段階になり、合わせて消費者に対して、潜在的な社会的な信用性も届けていることになります。

 

 

継続することによる中長期的な時間軸によって、興味、欲求、記憶の感情段階に進むことも可能になります。

 

つまり、時間軸の経過によりユーザーとの関係が深まる事を意味します。

 

 

CM素材の内容によっては、短期間での心理段階を進めることも可能ですが、それは、市場の状況と商材そのものの持つニーズやウォンツによって変わるため、一般論では想定できません。

 

 

また、このような単一のプロモーションだけで、アイドマの法則の心理段階変化をもたらすことは現実的ではありません。

 

 

多様な情報が溢れる現代、様々なプロモーション・ミックスを施策することにより、夫々のプロモーション毎に心理変化の目的を達成するように、各媒体の特性を活かした施策、構築を目指すことになります。

 

 

 

まずは、露出の時間軸とメッセージの内容、そして、アイドマの法則の心理段階の変化についての簡単なイメージを理解していただければ良いかと思います。

 

 

 

人が何かの行動、購買行動を起こす時、必ず瞬時に心理変化が起きる時と、時間的、段階的に5つの心理変化を経過して最終行動を起こすことを理解していただければ良いかと思います。

 

 

それは、商品、サービスの内容と市場でのポジションによって、それぞれってことですね。

 

 

 

媒体の特性によって、目標、目的を設定。

 

例えば、簡単なプロモーションの一例として紹介するならば、ある消耗材の商品を初めて売り出すときのケースで解説してみましょう。

 

 

先ずは、その商品の商材と商品名を短期的にイメージ良く知ってもらうためにテレビスポット広告で15秒のCMと新聞広告で大々的に宣伝を開始します。

 

当然、CMエンドには、〖○○○○○/検 索〗テロップ表示で、コーポレートWebサイトへ誘導します。

 

当然、一定期間以上はCM放送を継続していきます。

 

 

同時に新聞や雑誌等の媒体でその商品の特徴やメリット、その商品を購入することを通じて得られるお客さんの満足を可能な限りPRしていきます。

 

 

繰り返しCMと接することによりその商品に興味を持ち始めWebサイトへアクセスしたり、積極的に商品名などのキーワードを検索したりします。

 

 

Webサイトの特徴を余すことなく利用して、その商材の特徴や魅力を伝えていきます。

 

この時点で既にお客さんは欲しいと思って頂き、その商品について忘れないよう覚えていきます。

 

 

折込チラシで再び商品のチラシを見て、更に、購入の意思を固めていきます。

 

 

今度は、販売している店頭へ行ったとき、売り場や店頭にポスターやPOPを見つけて、購入するつもりだったことを思い出し、購入します。

 

 

これは、一昔前のアイドマの法則による、心理変化を解説した一例です。

 

 

 

インターネットが発展した現代では、もっとスピーディに直接的に、プロモーションをミックスした施策が展開されていきます。

 

 

 

しかも、昨今では、ダイレクト・レスポンス・マーケティングという手法も積極的に導入されつつあります。

 

 

 

先ずは、購買にまでのコミュニケーション施策と消費者の心理変化の基本的な流れをイメージしてもらえれば良いかと思います。

 

 

 

現状の課題、問題点の検証、分析のフレームワークとして

 

現行商品に対する販売不振の傾向を分析、検証する場合にも、アイドマの法則を利用する場合があります。

 

 

ユーザー目線に置き換えてみて当該商品には、注意を引ける要素があるのか、興味を持ってもらえる魅力があるのか、欲しいと思って思われる魅力があるのか、

覚えてもらっているのか、等々、細かく分析、検証していくことで、課題や問題点を分析、検証するフレームワークとしての活用にも有用です。

 

 

 

また、これは私の私見でもありますが、アイドマの法則、AIDMAを用いて検証、分析をする場合、5つの心理変化それぞれのプロセスでも、AIDMAを当てはめて分析してみることも、課題や問題点を分析するのに有効ではないかと思います。

 

 

A、アテンションを創出するためのAIDMAはあるのか。

I、インタレスト、興味を持ってもらうためのAIDMAはあるのか。

D、欲求を起こしてもらうためのAIDMAはあるのか、等々。

それぞれのプロセスごとにAIDMAの要素を分析、検証してみると課題や問題点が深掘りできて、その商品に関するポジションが明瞭に見えてきます。

 

 

縦軸のAIDMA、横軸にAIDMAを配した表を作ってみて、分析、検証してみるとその商材のポジションが明瞭になってきます。

 

 

 

課題や問題点が見えてくれば、解決策であるソリューション案に採用する媒体や企画、施策案が見えてきます。

 

 

マーケティング施策への取り組み始める時の最初の作業で、様々なプロセスごとでの課題や問題点を掘り下げて、深掘りしていく時のフレームワークの一つとして活用することもおすすめしています。

 

 

横軸を基本のAIDMAのプロセスとして、縦軸はその深さと想定します。

Attention Interest Desire Memory Action
Attention  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
Interest  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
Desire  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
Memory  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
Action 注意を引ける➔ 興味がある➔ 欲しいと思う➔ 覚えている➔ 購買行動

 

 

 

こんなイメージです。

 

 

 

まとめ

 

AIDMAの法則は、マーケティングや広告戦略等を考える時、また、営業戦略を考えるときの基本的な心理変化プロセスを表したフレームワークです。

 

 

 

昨今では、インターネット・メディアの発達がめまぐるしい中、この法則を基本とした、様々な法則指標が提唱されています。

 

 

とかく、新しい指標を意識し過ぎる傾向にもあります。

 

 

基本的な心理プロセスを理解した上で、新指標について考えていくことが、その真意を理解する上で、重要であると思います。

 

 

あえて本編では、基本中の基本について解説しました。

 

 

マーケティングでも広告宣伝、等の施策でも、アイドマの法則の基本を理解した上で、新指標を取り入れた、マーケティング施策構築を目指すべきであります。

 

 

 

 

2020.09

 

 

この記事を書いた人

古野 徹
株式会社リップル
代表取締役
マーケティング・コンサルタント

広告関連企業8社に従事して36年超。
ありとあらゆる業務を経験してきたノウハウを活かし、総合広告代理店、㈱リップルを設立する。

創業15周年の通過点に向けて、新規事業として、中小企業を対象とした、「マーケティングに関するコンサルティング事業」サービスの提供を開業。
「心を大切にコンサルティングします。」を新たな基本理念に加え、
どうやって、集客していくのか、
どうやって、売り上げを伸ばしていくのか、
どうやって、新たなお客さんやサプライヤーと繋がっていくのか、
どうやって、人財を確保していくのか、
どうやって、災害や緊急事態に対応していくのか、等々、
益々、社会での存在意義を示していくことが重要な課題になってきている中小企業に対して、わかっているようで、わかっていない「マーケティング」、今更、聞くに聞けない「マーケティング」の事など、総合的なマーケティング活動の施策支援のサービスが提供できるように、絶えず精進を続けている。

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