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あえて今、「プッシュ型マーケティング」について考える。

あえて今、「プッシュ型マーケティング」について考える。

 

プッシュ型マーケティングの「push(プッシュ)」、英語直訳では、

“ 押す、押して動かす、推し進める ”、などの意味があります。

 

その反対語として「pull(プル)」、

“ 引く、引いて動かす ”、などを意味する言葉があります。

 

 

いつ頃からでしょうか、マーケティング手法を大別する言葉として、プッシュ型マーケティングとプル型マーケティングの二つで大別されるようになりました。

 

 

本編では主に、コミュニケーション施策に関して、解説していきます。

 

 

インターネット・メディアが本格的に商用利用され始める2000年頃までのマーケティング手法としては、マスメディアを始めとする様々なオフライン・メディアを利用した施策が主流でした。

 

 

オフライン・メディアに対して、インターネット・メディアをオンライン・メディアとも言います。

 

 

昨今では、メディアの発達や利用目的が細分化され、より戦略的に施策を講じる必要があるため、マーケティングや戦略、戦術と言う言葉が多用されるようになったような気がします。

 

 

 

商業活動に限って言いますと、それまでのマーケティング施策は主に広告活動と販売促進活動の二つに大別されていました。

 

 

 

ブランディングも含めた認知度、知名度の向上や親近感の創出、企業としての信用度、信頼度の創出、等を目的とした広告活動と購買へのモチベーション創出を狙った販売促進活動の主に二つの視点からコミュニケーション施策を考えられていました。

 

 

理論上、想定上ある程度のターゲットは絞り込んでいましたが、不特定多数にアプローチする、いわゆる「 面 」を想定した情報発信、コミュニケーション施策です。

 

 

広告主が直接的、積極的、能動的に情報を発信する施策故に、「プッシュ型マーケティングやプッシュ型戦略」と称されます。

 

一昔前風に言えば、宣伝活動ということになりますね。

 

 

 

プッシュ型マーケティングに於ける主なメディアとしては、マスメディアと言われるテレビ、ラジオや新聞、雑誌やフリーペーパー、ポスター、チラシ、等の紙媒体、様々な交通広告、屋外広告などの看板やサイン、など多くの媒体が大別される二つの目的から採用されていました。

 

いわゆる、「オフライン・メディア」です。

 

 

これらの媒体に「インターネット・メディア」の本格参入により、マーケティング手法、施策の考え方が大きく変革していくことになります。

 

 

因みに、インターネット・メディアは、そのマーケティング施策、戦略によって、プッシュ型とプル型のいずれの施策にも属します。

 

 

 

そもそも「広告」とは何?

 

「広告」とは、(advertisementの訳語として明治5年/1872年頃、新たに造られた語)広く世間に告げ知らせること。特に顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること。また、その文書、放送など。

 

(広辞苑より引用)

 

例えば、商業上の目的から見た場合で考えると、自社の社名、商品、サービスの情報や会社の情報などを広く世間に知ってもらうために、顕在的なマーケット、潜在的なマーケットに向けて積極的に宣伝活動をすることを言います。

 

 

ニーズが顕在化しているマーケットに対しては、宣伝すれば物が売れる時代もありました。

 

しかし、物が溢れ、ウォンツを喚起しなければ物が売れない時代が到来し、より戦略的なマーケティング手法や施策が必要な時代となってきました。

 

 

 

特にプッシュ型マーケティングの施策が主流であった時代では、顕在的なマーケットに対する施策へは、早期の購買促進を意識した、より具体的な情報発信、コミュニケーション活動、販売促進活動を意識していました。

 

 

しかし、こと、潜在的なマーケットに対しては、そのニーズやウォンツを顕在化するための戦略、施策には、大変な工夫と多額の経費投入が必要であったのも実情でした。

 

 

 

プッシュ型マーケティングの採用メディアの特徴としては、テレビやラジオ、新聞などのマス的なユーザーを対象に、面で一方的、積極的に情報発信、訴求していくために、どうしても媒体コストが掛かってしまうという難点があります。

 

 

特に中小企業においては、その企業規模や対象とするマーケットの大きさによっては、その媒体の採用は、目的や施策のポジショニングを十分に吟味する必要があり、ケースによっては現実的では無い場合もあります。

 

 

 

そして、インターネット・メディアの本格登場により、それまでの宣伝活動、コミュニケーション施策の概念が大きく変わることになりました。

 

 

 

HTML式、静的方式によるホームページ、つまり、コーポレートWebサイトを利用した宣伝活動の導入が流行りだすことになります。

 

 

手軽にコストも安く広く伝えるための情報発信が可能になり、表現やデザインを工夫すれば、実際の企業スケールとは違ったスケール・イメージでの宣伝活動も可能になりました。

 

 

インターネット・メディア環境の急速な発達は、情報の信憑生を判断するのも情報を受け取った消費者が判断しなければならず、物差しが無い環境では、様々な問題が発生していた実情もありました。

 

 

因みに、この頃のコーポレートWebサイトは、主にプッシュ型マーケティングに属する施策です。

 

 

 

プッシュ型マーケティング施策において、インターネット・メディアを除くメディアでのコミュニケーション活動は、媒体としてのスペースに限りがあります。

 

 

限られたスペースで、伝えたいことを伝えるには、主に伝えたいことを、感性に変えたメッセージを創作して広告する、宣伝することが主な手法です。

 

 

それに対しコーポレートWebサイトでは、オフライン媒体と比べても広告スペース、PRスペースの自由度が高いため、感性やイメージが中心になるオフライン媒体では伝えられない、理解を深めるための媒体としての役割に位置づけられていました。

 

 

 

因みに、「プッシュ型マーケティング」は、企業、団体側より外へ向けた施策ということで、「アウトバンド・マーケティング」とも称されます。

 

 

 

ところで「インターネット」って、メディアなの?

 

「インターネット」とは、簡単に言えば、コンピューターを利用し、複数の様々なネットワークとネットワークを相互接続した、グローバルな情報通信網のことを指します。

 

その歴史は意外と古く50数年前から発表され発達してきたネットワークと言えます。

 

 

詳細については、一度、検索してみてください。

 

 

インターネット・メディアとは言いましたが厳密には、メディア、媒体ではなく通信網を指しているのですね。

 

 

 

メディアに相当するのが、ホームページと言われるWebサイトや様々なプラットホーム、サービスプロバイダー、スタンド、よく利用する検索エンジンなど、インターネット上に存在する、様々なサービスの提供、コンテンツ等を発信している色々なサイトを媒体と位置付けることが自然か思います。

 

 

 

インターネット上には、媒体社に相当するサイトが、善意、悪意の有無にかかわらず、数え切れない数のサイトが存在しています。

 

それらのサイトには、日本国内だけでなく、海外のサイトへもアクセスが可能な時代となりました。

 

 

 

オフライン・メディアの本質について。

 

オフライン・メディアの主な媒体社は、基本的には公共的な情報を提供、発信していくことを使命としています。

 

 

ニュースや番組、記事、そして広告も消費者に対する有益情報と位置付けています。

 

 

特にマスメディアと分類されるテレビやラジオ、新聞社、等の媒体社は、新規の広告出稿希望のスポンサーに対しては、事前に各種企業情報の提出を依頼し、放送予定のCM素材の内容、広告原稿等の表現の内容も考査し、確認した上で実際の広告出稿を受け付けています。

 

 

業種等も含めてスポンサーとして公共性に相応しく無いと判断すれば、いくらお金を積まれても出稿を受け付けていません。

 

 

 

少なくとも消費者に対して、不利益を与えないだろうという判断のもと、広告の出稿を受け付けています。

 

ただ、正直グレーゾーン?判断を見誤ることも多少あるかもしれませんが…。

 

 

 

話はずれますが因みに、媒体料と言われる広告出稿料、掲載料は、出稿料が多い大企業のような全国規模のナショナルクライアントと言われるスポンサーの方が広告出稿料が安いのではと思うかもしれません。

 

 

しかし、通常の商取引との慣習とは違い、大企業や公共性の高いスポンサーほど、広告出稿料は、原則、高くなるように設定されています。

 

因みに、広告代理店には、広告出稿料の金額を決定することはできません。

出稿金額は、原則、媒体社がスポンサーの業種、企業規模など、様々な独特な物差しにより、設定する金額を決定しているようです。

(ここでの理由説明は、省きます。)

 

 

 

また、広告以外の番組情報、ニュースや記事などに関しても、原則、裏付けをとった上で、発信しています。

 

 

 

公共媒体と言われるオフライン・メディアの情報は、原則、最低限の信憑性、信頼性は、媒体社が担保しているということです。

 

 

 

しかし、インターネットは、あくまでも情報通信網、ネットワークそのものです。

 

インターネット上に溢れる情報は、サイト上で情報を発信している企業や団体、個人が真摯に発信しているものばかりでなく、中には悪意のある情報も含まれていることも否めません。

 

 

その判断は、原則、情報を受け取った消費者自身がその信憑生や信頼性を判断しなければならないのが実情です。

 

 

 

昨今はあまり聞くことが少なくなりましたが、ある企業名を聞いた時、「ああ〜テレビでCMやってた会社ね!!」っと、潜在的な信用度を持っていました。

 

 

マス媒体などは、もともと広告を広く多くの人々に伝えるもっとも適した媒体と思っていますが、本来は、コマーシャルや広告を出稿している企業の信頼感、社会的信用性の創出にも大いに寄与していたことも大きな目的の一つです。

 

 

 

媒体社がその企業の最低限の社会的な信用性をギャランティした上で、広く多くの人々に広告メッセージ、「伝えたいこと」を届けられるメディアであるということも理解して良いと思います。

 

 

その潜在的な消費者のマインドもまだ存在するものと思います。

 

 

 

昨今では、インターネット業界もネット上に溢れる情報の信憑性、信頼性をいかに担保すべきかに取り組んでいる現状もあります。

 

 

 

まとめ

 

あえて今、プッシュ型マーケティングについて考える。

 

プッシュ型マーケティング施策において主流のオフライン・メディア、

テレビやラジオ、新聞、雑誌、サインや看板、ポスターやチラシなど従来からの様々なメディアがあります。

 

 

そして、インターネット・メディアと言われるオンライン・メディアとの優劣論もありますが、マーケティング上、コミュニケーション施策上、いずれも必要なメディアであり、そもそも優劣をつけられるものではありません。

 

 

それぞれの企業規模、マーケティングの施策内容、目的等によって、それぞれの媒体の特徴を踏まえて、採用するものであります。

 

 

 

また、企業の事業目的達成のために、課題や問題点の解決に対して、インターネット・メディアで全てが解決できる訳でもありません。

 

 

 

メデイアは、あくまでも課題や問題点解決のための手段の一ツールであり、とかく目的視されがちになる傾向を感じます。

 

 

 

施策の目的は、ハイテクノロジーなイメージと掛け離れた、いたって人間味あるアナログな課題と問題点であります。

 

 

 

事業目的達成を目指した、しっかりとしたマーケティング施策を構築し、それぞれのメディアの特性、特徴を理解した上で、最適な選択をして、効果的なマーケティング施策の成功を目指すべきであると考えます。

 

 

経済活動は全て人間が対象、ターゲットであります。

 

足元をしっかりと見据えたマーケティング施策への取り組みが重要と考えます。

 

 

 

 

2020.09

 

 

 

この記事を書いた人

古野 徹
株式会社リップル
代表取締役
マーケティング・コンサルタント

広告関連企業8社に従事して36年超。
ありとあらゆる業務を経験してきたノウハウを活かし、総合広告代理店、㈱リップルを設立する。

創業15周年の通過点に向けて、新規事業として、中小企業を対象とした、「マーケティングに関するコンサルティング事業」サービスの提供を開業。
「心を大切にコンサルティングします。」を新たな基本理念に加え、
どうやって、集客していくのか、
どうやって、売り上げを伸ばしていくのか、
どうやって、新たなお客さんやサプライヤーと繋がっていくのか、
どうやって、人財を確保していくのか、
どうやって、災害や緊急事態に対応していくのか、等々、
益々、社会での存在意義を示していくことが重要な課題になってきている中小企業に対して、わかっているようで、わかっていない「マーケティング」、今更、聞くに聞けない「マーケティング」の事など、総合的なマーケティング活動の施策支援のサービスが提供できるように、絶えず精進を続けている。

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