中小企業のマーケティング、高精度に深掘りする2つのポイント。
検証作業、深掘りする精度を高めるポイントについて解説して行きます。
「何から手をつけたらいいの?」シリーズで、マーケティング施策への取り組みの方法、最初の手順について解説しました。
(「中小企業のマーケティング!何から手をつけたらいいの?シリーズ_1」)
(「何から手をつけたらいいの?組織について。シリーズ_3」)
(「何から手をつけたらいいの?シリーズ4。情報の整理と見える化。」)
中小企業のマーケティング施策、最初の1歩として、自社の商品やサービスについて、それを取り巻く環境や様々なカテゴリーごとに、課題や問題点を的確に分析、検証することが大変重要であると話しました。
より正確に、ディレクトリーコード(階層的)にフローチャートとして、シンプルに可視化し、それぞれの関連性を見極め、意味付け、意義づけをすることをお話ししました。
精度の高い課題や問題点を発見できれば、その問題解決できる方法、若しくは、適切な解決策を提案、アドバイスをしてくれる専門家は多数います。
また、解決策の実行段階で、アウトブレーンへの業務発注やオファーの際、適切なオファーも可能なため、提案される企画や施策案の精度も高くなります。
そして、その施策案の良し悪しの判断も適切な判断が可能になり、効率の良い、コストパフォーマンスの高い施策の実現が可能となります。
次に、最適で的確な、課題や問題点を深掘りするためのポイントを解説していきます。
課題や問題点を見極める、2つの力。
磨きましょう、「分解力」と「分析力」。
課題や問題点を分析、検証していく作業の中で、その精度を高めるためには、「分解する力」と「分析する力」を磨く必要があります。
恐らく、このブログを読んで頂いている皆さんが中小企業のオーナー、社長さんであったならば、マーケティングに関する関心も高く、お悩みも抱えていらっしゃるのではないかと想像します。
自社の事業に対する問題意識も高く日頃から、関連書籍も多数拝読され、機会ある度に様々なセミナーや講演会等へも積極的に参加していらっしゃるのではないかと推察します。
要するに、常日頃から多くの情報を集め、インプットを繰り返していると言うことですよね。
情報のインプットの度に、「なるほど!」と感心させられることも多い反面、処理しきれない多くの情報を抱え込んで消化不良を起こしているような、と言うのも実情ではないでしょうか。
ところで、話は変わりますが、中小企業の社長、オーナーでマーケティングに対する問題意識が高く、取り組まなければいけないと言う自覚はあるが、実際、何もやれていない社長の特徴として共通していることがあります。
それは、皆、人一倍、関連することへの情報収拾量、勉強量が多いと言う傾向があるそうです。
某コンサルティング会社の分析ですが。
時折、いろいろな会合で名刺交換などした時に、マーケティングのコンサルタント業、本業の私よりも詳しいのでは?と感じるほど、勉強されている方に遭遇することもたまにあります。
そのコンサルティング会社によると、そうなってしまう理由もあるそうです。
それは、またの機会に解説しますね。
ところで、「分解する力」と「分析する力」を磨くためにはどうしたらいいのか。
それは、インプットした情報を「アウトプット」することです。
インプットした知識や情報を自分なりの言葉と解釈で取り敢えずアウトプットしてみることです。
例えば、有名企業の事業展開やマーケティング施策等の参考例に触れる機会があったときに、自分なりの分析でロジカルを考えたり、評論してみてください。
思い付くまま、ノートなどに書き留めれば、尚、良いです。
また、気の合う経営者の友人同士の間で、勉強会を開いたり、ミニセミナーを開いてみたりして、自分の知識をアウトプットする場を持ってみることも有効だと思います。
アウトプットすることによって、捨てられていた情報、忘れていた情報などを発見、自覚することもあります。
また、インプットした情報の真意がスッと腹に落ちたり、理解が深まったりします。
そして、可能な限り文字に書くことも有効です。
とかくパソコンにダイレクトに入力する機会が増えていますが、記録をとると言う点では、それも効率的かもしれませんが、インプット、アウトプットと考えた時は、やっぱり、アナログ的に文字を書くと言うことも重要な要素です。
普段、パソコンやスマホ、様々なデバイス慣れしている昨今、アナログ的に文字を書いてみてください。
意外と新鮮味があり、普段とは違う発想が湧いてきたりします。
きっと右脳が刺激されているのかもしれませんね。
根拠はわかりません。
恐縮です。わかった時に再レポートしますね。(笑)
分解する力、分析する力を磨くには、インプットした情報を文字に書いてアウトプットすること、これが大変重要です。
課題と問題点を見極める、3つのキーワード。
課題や問題点を分析、検証するときに、曖昧な言葉を使用せず、できる限り具体的な言葉でワードの単位まで深掘りしていくことが重要とお話ししました。
その検証、分析作業の時に留意して欲しい3つのキーワードがあります。
深掘りしていく作業の時に出てきた情報を「事実」と言う情報、「感情」と言う情報に振り分けてください。
言葉には様々な人の解釈がまとっているとも言われます。
分析、検証していく途中段階でも、その人の解釈がまとっていますし、感情的な情報と事実的な情報が入り混じっていることが殆どです。
感情的な内容には曖昧な言葉が多くなり、事実的な情報は具体的にシンプルに分析していくことが可能です。
人は、感情的な話しと事実的な話しを混同して検証、分析したり、議論したりしがちになります。
故に噛み合わない議論になりがちな時は、この両者が整理されていないと、議論が横道に逸れて行きかねません。
一歩俯瞰して、事実な情報と感情的な情報を明確に分類することが、課題や問題点を深掘りする時には、特に意識しなければなりません。
問題解決のヒント、解決策構築のヒントは「事実」な情報にあります。
その感覚を磨くにも普段からテレビや新聞の見方をちょっと意識してみる癖をつけると事実と感情の解釈に磨きがかかってきます。
例えば、大体、テレビのニュースや報道番組ではテレビ局としての意見やコメンテーターとしての意見、ある種の感情的な伝え方をしていると思いませんか。
短いニュース番組では、事実のみを伝えていますが。
新聞は、主に事実と意見が併載されていると思いませんか。
可能な限りの事実を伝えた上で、記者として、新聞社としての意見も記載されています。
恐らく、こう言う見方をすることは、少ない方の方が多いと思います。
普段から、巷に溢れる情報を「事実」と「感情」、また、感情に属する「意見」と振り分けて、受けて取る癖をつけてみると、「分解力」と「分析力」も磨きがかかってきます。
そして、適切でシンプルな課題と問題点の発見に寄与することは言うまでもありません。
そしてもう一つのキーワードとして「何故?」。
自分も含めて、分析や検証作業などの時、「何故その言葉を使ったのか」を、自問自答も含めてその理由を紐解いていくことも重要な視点です。
深層心理の中にある真意や何らかの意図を持って無意識に使っているかもしれません。
言葉の額面通りに理解せず、「ちょっと待てよ?」みたいに考えてみることも、重要なヒントや真意が隠れているかもしれません。
これらは、自身や自社の課題、検証の時だけでなく、相手がいる時のヒアリングや質問をする場合にも有効な考え方です。
まとめ
中小企業のマーケティングに取り組み始める時に、自社の中に潜む様々な課題や問題点を発見するために、それぞれのカテゴリーごとの検証、分析から始めることをお話ししました。
思いの外、相当な深掘り作業を進めて行かなければなりません。
最終的には、ディレクトリーコード(階層)的に、具体的でワードの単位までシンプルに分析、検証していき、課題や問題点を可視化していきます。
そのプロセスでは多くの言葉が並びますが、最終的にはシンプルな事実としてのキーワードに、課題や問題点の解決策発案のためのヒントがあります。
それらの作業を適切で的確なものにするためのポイントとして、「分解する力」と「分析する力」を磨く必要があります。
そのためには、インプットした多くの情報をアウトプットすることが近道であり、精度を上げることにつながります。
また、情報の整理、検証、分析時には、「何故?その言葉を使ったのか」、その理由も紐解きながら、最終的には、それらの情報を「事実」と「感情、意見」に分けて整理していきます。
そうすることで、精度の高い課題や問題点は、「事実」な情報から導き出せます。
シンプルに導かれた精度の高い課題や問題点は、解決策の立案、施策の実行段階で、アウトブレーンなどへの業務発注やオファーの際にも、適切なオファーが可能なため、提案される企画や施策案の精度も高くなります。
施策案や企画案の良し悪しの判断が、ロジカル(理論的)に適切で的確か否かの判断も可能になり、効率の良い、コストパフォーマンスの高い施策の実現が可能となります。
徹底した現状の課題や問題点の検証、分析を進め整理することから、中小企業のマーケティングの取り組みへの第一歩となります。
そして、その解決策の企画、立案、施策構築の段階へ移行していきます。
「戦略」と「戦術」、この二つのテーマについて考えていくことになります。
正しい言葉の使い方として、間違って使われることも多いので注意してみて行きましょう。
テレビ番組などでよく「企業戦略」として紹介される事例は、よく見ていると、よく聞いていると大半が「戦術論」を語っていることが多いようです。
これらについては、またの機会に解説します。
2020.09
この記事を書いた人
- 古野 徹
- 株式会社リップル
代表取締役
マーケティング・コンサルタント
広告関連企業8社に従事して36年超。
ありとあらゆる業務を経験してきたノウハウを活かし、総合広告代理店、㈱リップルを設立する。
創業15周年の通過点に向けて、新規事業として、中小企業を対象とした、「マーケティングに関するコンサルティング事業」サービスの提供を開業。
「心を大切にコンサルティングします。」を新たな基本理念に加え、
どうやって、集客していくのか、
どうやって、売り上げを伸ばしていくのか、
どうやって、新たなお客さんやサプライヤーと繋がっていくのか、
どうやって、人財を確保していくのか、
どうやって、災害や緊急事態に対応していくのか、等々、
益々、社会での存在意義を示していくことが重要な課題になってきている中小企業に対して、わかっているようで、わかっていない「マーケティング」、今更、聞くに聞けない「マーケティング」の事など、総合的なマーケティング活動の施策支援のサービスが提供できるように、絶えず精進を続けている。
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