シンプルに考える!中小企業のマーケティング。
中小企業でのマーケティング施策を考えるとき、検証、分析、課題、問題点、改善策、ソリューションなど、施策の一連を考えるとき、それぞれのプロセスをシンプルに考えましょう。
マーケティングというと、戦略や戦術、コンテンツ、リードやコンバージョン、UVP、USP、PDCAやKPI、等々、携わっていない人間からすると訳のわからない単語が並んでいるイメージが強くありませんか。
○○○理論や概論、☐☐☐分析など、様々なマーケティング理論、概論がたくさん定義、発表されていることも事実ですが、全ての企業にそのまま当てはまる概論でもありません。
ましてや中小企業においては、大所帯で高い売上高をほこる中堅クラス企業には参考になるかもしれません。
しかし、中小企業の実態には、直接的には、そぐわないマーケティング理論も多いのではないでしょうか。
マーケティングの大綱として次のように解説しましたが、“「創って」、「作って」、「売る」。この繰り返し、サイクルをスムーズに行うために必要なそれぞれの施策を講じることをマーケティングと言う。” と解釈しても良いと解説しました。
この3つのサイクルのプロセスで、動脈硬化?を起こして血の巡りが悪くなってくると、業績の悪化の気配を感じ始めます。
そんな時に、マーケティングに対する関心が高くなってきたのではありませんか。
マーケティングなど、今まであまり考えなかった中小企業のオーナーにとって、マーケティング施策への取り組みは、考え始めると難しいキーワードのオンパレードで頭がいっぱいになり思考停止?になりそうな……、なんて訳ないですよね。
でも、具体的には何から手をつけたらいいのやらと、積極的にセミナーの受講に行ったり、Amazonで関連の書籍を検索したり、専門業者をネット検索したりと向学に翻弄していませんか。
何から手をつけたらいいの?シリーズ1〜4でも解説しましたが、まずは、会社内それぞれのカテゴリーにおいて課題や問題点が無いか検証、分析を実施することを推奨しました。
(「中小企業のマーケティング!何から手をつけたらいいの?シリーズ_1」)
(「何から手をつけたらいいの?組織について。シリーズ_3」)
(「何から手をつけたらいいの?シリーズ4。情報の整理と見える化。」)
これらの作業をどこまでシンプルに分析、検証できるかが課題となります。
コンテンツ
傍目八目!!他人のことはよくわかるのに。
他人のビジネスや会社のことなら、課題や問題点など、指摘やアドバイス、アイデアはよく思い浮かぶけど、こと自分のこととなると見えなくなる。
どうしても自分のこととなると視野が狭くなります。
様々な検証、分析作業や対策のアイデア出しなど、どうしても行き詰まってしまう原因の一つです。
そんな時、信頼できるマーケティング・コンサルタントが側にいれば、良きアドバイスをくれます。
中々、そのようなブレーンをお持ちの中小企業も少ないのが実態です。
ならば、どうするか。
傍目八目なる目線を持てるようにするためには、検証、分析に関していかにシンプルなワード、言葉まで深掘りできるかがテーマとなります。
いかに全体像がシンプルに俯瞰できるまで検証、分析できるかということです。
シンプルに考えることができれば、解決策は意外と簡単なことだったり、あっけなかったりすることがあります。
しかし、自分の会社のこととなると中々思いつけなかったり、行き詰まりから抜け出せなくなったり、もがけばもがく程、そのジレンマから抜け出せなくなってもしまいます。
行き詰まりを解決する、2つのシンプルなコツ。
シンプルなコツ、その1。
自分のビジネスや自分自身の事となると視野が狭くなりますが、他人のビジネスのことだとその視野は広くなります。
行き詰まりを解決するコツ、その1は、シンプルに異業種の友人に相談すること、信頼できる周りにいる人に相談することです。
違う視点の人からアドバイスをもらうと、その行き詰まりを解決するキッカケになります。
シンプルなコツ、その2。
シンプルなコツ、その2は、検証、分析の仕方を具体的に、これ以上ないくらいに深掘りしていくことです。
大変な作業になりますが、夫々のカテゴリーごとで検証、分析を実施する時、夫々の現状、現況、認識や意識、解釈を掘り下げていきます。
そして、可能な限り具体的に、よく使う曖昧な言葉を使わず、細かいワードの単位、一単語の単位まで深掘りしていきます。
まるで連想ゲームでもしているかのような作業になると思います。
思い付くまま無地のノートに書き出していき、1文の中で曖昧な言葉を探していきます。
その曖昧な言葉それぞれを具体的な言葉に置き換えていきます。
文面の文法的なことは無視して、思い付くまま書き出してみましょう。
曖昧な言葉をより具体的な言葉に変換していくと、それは、名詞、単語の羅列になるかもしれませんね。
すると本質的なことが見えてくるかもしれません。
よく使用する、曖昧な言葉。参考例。
無意識によく使われる曖昧な言葉。
特にマーケティングに関することを話題にすると、会社経営のことに関する話題には、よく飛び交う言葉を以下のようにあげてみます。
これは、私が受講したセミナーで聞いた参考例ですが、皆さんも「ハッ!と」すると思いましたので、出典させて頂きました。
例えば、
マーケティング、ソリューション、戦略、戦術、明確化する、向上する、努力する、全力でやる、質を高める、目指す、調整する、検討する、管理する、監督する、運営する、徹底する、支援する、強化する、効率化する、出来る限りする、改善する、把握する、定着化する、評価する、関係を深める、図る、共有する、
等々、この他、まだたくさんの曖昧な言葉が日常飛び交っています。
「ハッ!と」しませんでしたか。
実際に会社内でもよく使われていますよね。
これらの言葉は、使う人によって、立場や状況によって、具体的な意味合いが変わってきますよね。
時には解釈が変わってしまうこともありませんか。
また、使っている方は、なんだか解決したような気分にもなってしまう場合もありますよね。
まずは思い付くままに書き出した言葉の中から曖昧な言葉を見つけ出し、それらを具体的な言葉に変換、置き換えていきましょう。
きっと何かが見えてきます。
課題、問題点の深掘り。自問自答の「マジック・クエスチョン」。
前述した曖昧な言葉が出てきたとき、さらに深掘りしたい時、自問自答でも社内の担当者に対してでも使いえるマジック・クエッションがあります。
曖昧な言葉が出てきた時には、その言葉に対して、
「例えば?」、「具体的には?」、「それは何故?」、「それはどうして?」、「それはどの様にしたら?」、「他には?」と、それぞれに繰り返していきます。
これらのマジック・クエッションは、自問自答だけでなく、様々なシーンでも活用ができます。
社員教育の場での課題や問題点模索の時など、利用できる場面は多岐にわたる、マジック・クエッションです。
社内での報連相、報告、連絡、相談。
死後になりつつあるワードですが、ビジネス上の情報、提案事項も含めて短く端的に伝える傾向になってきています。
伝える時に端的な文章、書類にまとめることは大切で重要なことと思います。
しかし、端的にまとめるためには、課題や問題点について本質的な分析や検証ができていなければなりません。
解決策を考える時、課題や問題点の本質が見えていることが的確、適切な解決策を見出せるのです。
そして、シンプルに端的に伝えるには、それなりの面倒なプロセスも必要であることも理解してください。
まとめ
中小企業のマーケティング施策に取り組むときは、シンプルに考えましょう。
思い切ってシンプルに異業種の他人に聞いてみるとか。
マーケティングのコンサルタントに相談してみるとか。
でも一度は、自身で、会社内で検証、分析してみることをお勧めします。
様々なカテゴリーで検証、分析を実施する時、曖昧な言葉を使用せず、可能な限り具体的なワード、単語単位まで深掘りしていくことが大変重要な資産となっていきます。
そんな時間を割いている場合じゃないと考えず、一旦は言葉の風呂敷を広げられる限り大きく広げてみましょう。
広げた風呂敷の上の言葉たちには、多くの意味と意義、解釈がまとっていることにも気がつくはずです。
そして、深掘りされたキーワードをディレクトリー的(階層的)に、フローチャートとして分析してみましょう。
その可視化された課題や問題点は、夫々の意味するもの、意味することが明確になるように定義付けましょう。
すると、その解決策は見えてきます。
「シンプルに!」
導き出された課題や問題点は、その解決策を企画、検討、構築する際に、“ コロンブスの卵 ” 的な意外と簡単なことであったりもします。
そして、深掘りするプロセスで出てきた、曖昧な言葉も含めた多くの「キーワード」は、その後の解決策の企画、構築において、戦術案構築において、多くのヒントと解決策実施のための資産となります。
「急がば回れ」と言う諺にもありますが、遠回りのようでも、面倒なことでも本質的なことを見極めるためには、細かな検証、分析が必要です。
その才能に長けている人は、感覚的にこれらの検証、分析作業をこなしてしまいます。
しかし、それが出来るのは、ごく一部方々です。
そう言う方々でも直感で動いたことが、後で検証してみると、マーケティングの理論に対して理にかなっていることが多いのです。
ただ、ご自身で理論として、ロジックとして分析、解釈して、アウトプットできている方は少ないような気もします。
これら一連の作業を経験してみると、インプットした情報や知識の理論的なこと、ロジカルなことが理解できてきます。
実施することは、難しくありません。
連想ゲームのように課題、問題点を深掘りしていくだけです。
他人目線で、傍目八目の観点で。
曖昧な言葉を極力使用せず、
「例えば?」、「具体的には?」、「それは何故?」、「それはどうして?」、「それはどの様にしたら?」、「他には?」と。
行き詰まらないように自問自答していくこと。
正直、これが一番難しいことかもしれませんね。(笑)
でも、一度はトライしてみましょう。
長い目で見れば、無駄な時間ではないと、私は信じています。
「シンプル」と言う言葉にも多くの解釈がまとっていますね。
2020.09
この記事を書いた人
- 古野 徹
- 株式会社リップル
代表取締役
マーケティング・コンサルタント
広告関連企業8社に従事して36年超。
ありとあらゆる業務を経験してきたノウハウを活かし、総合広告代理店、㈱リップルを設立する。
創業15周年の通過点に向けて、新規事業として、中小企業を対象とした、「マーケティングに関するコンサルティング事業」サービスの提供を開業。
「心を大切にコンサルティングします。」を新たな基本理念に加え、
どうやって、集客していくのか、
どうやって、売り上げを伸ばしていくのか、
どうやって、新たなお客さんやサプライヤーと繋がっていくのか、
どうやって、人財を確保していくのか、
どうやって、災害や緊急事態に対応していくのか、等々、
益々、社会での存在意義を示していくことが重要な課題になってきている中小企業に対して、わかっているようで、わかっていない「マーケティング」、今更、聞くに聞けない「マーケティング」の事など、総合的なマーケティング活動の施策支援のサービスが提供できるように、絶えず精進を続けている。
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