小さな会社だけど、マーケティングって必要?なの。
結論から言うと必要です。
何もしなくても、自社の商品やサービスが売れて、先々、売り上げ減の心配も無いと言う会社なら無くても?とも思いますが、そんな羨ましい会社、なかなか無いですよね。
一般的な経済活動によって事業を展開している会社なら、B to Bの企業であれ、B to Cの企業であれ、マーケティング施策は必要です。
と言っても、既に無意識にマーケティング施策を実施されているのも実態でしょうね。
そもそもマーケティングって何?
簡単に一言で話せるものでも無いですよね。
このブログを書いている私でさえ、突然、「マーケティングって何ですかと」質問されると、一瞬、回答に躊躇してしまいます。
「マーケティング」と言う言葉は、非常に広義な意味、諸説があります。
様々な学者や、協会や団体の専門の先生達も色々な定義、諸説を提唱されています。
これは、企業規模や様々なマーケティング施策の中で、プロセスや施策のポジションによっても諸説があるので、全体を定義する基本的な諸説、解釈は次のようなものになります。
簡単に、シンプルなイメージで基本的な解釈を言うと、
商品やサービスを、「創って」、「作って」、「売る」。
この繰り返し、サイクルをスムーズに行うために必要なそれぞれの施策を講じることをマーケティングと言います。
自社の商品やサービスを「創る」、つまり、商品企画、開発があって、「作る」製品を製造して、「売る」消費者に提供、販売するまでの過程で実施される一連の事業活動のことを言う。と解釈してよいと思います。
企業の業種や商品、サービスの内容によって、また、対象とするマーケットの大きさや特徴、などによって、マーケティングの諸説は変わってきます。
特に販売政策のカテゴリーにおいては、目的に応じて、Webマーケティングとか、○○○マーケティングと呼ばれる様々な販売政策、コミュニケーション施策に関する戦術的なマーケティング手法に細分化されていきます。
ただ、気をつけなければいけないのは、販売、セールスとマーケティングを混同してはいけません。
確かに、定義的に一部重なる点、リンクしている面もありますが、本質的には違う定義のものです。
セールス、販売を後押しするもの支援するものの一つと解釈するのはよいと思います。
また、「マーケティング・リサーチ」はマーケティングとは違いますので、注意してください。
あくまでも、マーケティング施策の中の一部の作業の一つです。
一度、検索エンジンで「マーケティングとは」で検索をかけてみてください。
よく分からないような、多くの有名なマーケターや協会の引用がたくさん出てきます。
でも、余分な言葉を除いていくと、基本の基は、だいたいこのような解釈で間違ってはいないと思います。
続いて、マーケティング施策の中で、特に販売、セールスの支援に繋がる、プロモーションとPR、コミュニケーション施策に関するマーケティングについて、大別する2つのマーケティングについてお話しします。
従来、現行主流のプシュ型マーケティング
広告宣伝、販売促進、ブランディング活動等でのコミュニケーション手段の中で、「伝えたいこと」、「伝えること」については、別で述べますが、現行主流のコミュニケーション活動をプシュ型マーケティングと言います。
別名、アウトバンド・マーケティングとも言います。
マス媒体とも言われる、テレビやラジオのCM、新聞や雑誌等の紙媒体広告、ポスターやチラシ、リーフレットなどの印刷媒体での広告、現行主流のHTML(静的)方式のコーポレートWebサイトなどの媒体を利用してのコミュニケーション活動をアウトバンドマーケティングと言います。
企業側の直接的、積極的、能動的な広告訴求する、必然的に不特定多数にアプローチするマーケティング手法です。
消費者マーケットに積極的、一方的に訴求する手法ゆえに、プッシュ型とか企業側から外に向けて発信、訴求するので、アウトバンド・マーケティングとも言われます。
そして、インターネットの発展、普及が進んだ現代では、消費者に届けられる情報が思いの外、大量な情報が供給されるようになりました。
そのため、自分の興味の無い広告には拒否反応を示してしまい、その「伝えたい」メッセージが実際には届いていないか、直ぐに捨てられる、忘れられてしまう情報になっています。
プッシュ型マーケティングだけでは、余程の工夫と多くの露出を持たないと、企業のメッセージに対する共感が得られにくくなっています。
歴史は古いが、昨今注目のプル型マーケティング
主なコミュニケーション施策、プッシュ型マーケティング(アウトバンド・マーケティング)対して、その反対の施策として、プル型マーケティングがあります。
一方的に情報を発信して行くプッシュ型に対して、ユーザーの方から見つけにきてもらう、ユーザーから企業へ(外から内へ)関係を構築してもらう、インバウンド・マーケティングがあります。
最近では、主にコンテンツ・マーケティングと呼ばれています。
ユーザーにとって有益なコンテンツを発信すること通じて、自社の見込み客となる顧客に見つけて貰い、接触して貰う仕組みを言います。
そのコンテンツは、当然、発信する企業に関係する商品やサービスに関連するコンテンツでなければなりませんが、その宣伝?になってはいけません。
段階的に「おや!」っと、思って貰い、そして「まぁ。」っと、感じて貰い、「ヘェ〜!!」と理解して貰うコンテンツを発信します。
例えば、プレゼンテーション的に言えば、
売り込まない?
見込み客を魅了し、納得を創出する。
「貴社の発信したいこと」
「見込み客の知りたいこと」との
ギャップを埋める、
プル型マーケティング、
インバウンド・マーケティング
インタラクティブ(双方向)な情報発信が可能な
コンテンツ・マーケティング
とでも言いましょうか。
その目的は、コンテンツを発信、配信している企業のファンになって貰う事を目的とし、購買活動へ導く施策手法をコンテンツ・マーケティングと言います。
意外とその歴は古い「コンテンツ・マーケティング」。
そもそも、コンテンツ・マーケティングとは、以下の様な定義があります。
コンテンツ・マーケティングとは、適切で価値ある一貫したコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方である。見込み客として明確に定義された読者を引き寄せ、関係性を維持し、最終的には利益に結びつく行動を促すことを目的とする。
米国、コンテンツマーケティング・インスティチュートによる定義(直訳)より引用。(直訳)
とあります。
その最初の実例と言われる、インターネットの無かった、オフライン時代のマーケティング手法として、アメリカの農機具メーカー「 Deere & Company 」が、1895年(明治28年)に行った施策が始まりと言われています。
また、他の施策例として有名なのが、日本でもお馴染みの「ミシュランガイド」があります。
その創刊は1900年、120年以上も前に、ミシュランタイヤがドライバーのための車のメンテナンス情報と旅行情報を載せたガイドブックを発行して、ユーザーの囲い込みを図った、オフライン時代のコンテンツ・マーケティングの代表的な事例の一つです。
近年では、コンテンツ・マーケティングは、インターネットを利用したオンライン・マーケティングの手法として注目されており、米国では2000年頃より発展してきました。
日本へは2014、5年頃より導入され始めた、注目すべきマーケティング施策の一つであります。
従来のプッシュ型マーケティングの一方的な情報発信とは異なり、「企業の発信したいこと」、「ユーザーの知りたいこと」の間にあるギャップを、適切なコンテンツで埋めるという、双方向型のプル型マーケティング手法の一つです。
当初は、インバウンド・マーケティングと呼ばれており、昨今ではコンテンツ・マーケティングと呼ばれるようになりました。
ちょっと理解が難しいかもしれませんね。
具体的にはまたの機会に解説します。
まとめ
マーケティング施策の中で、コミュニケーションに関する代表的な2つのマーケティング施策として、従来型の一方的に情報を発信するプッシュ型マーケティングと双方向の情報発信、ユーザーからの接触を求めるプル型マーケティングの二つに大別されます。
しかし、プッシュ型がプル型に今後移行して行くわけではなく、インバウンド・マーケティングがアウトバンド・マーケティングより優位なマーケティング施策であるということでもありません。
また、全てのコミュニケーション施策がインターネットに移行して行くわけでもありません。
そもそも、マスメディアと代表とするプッシュ型メディアとインターネットメディアの特徴は根本的に違っており、それぞれの特徴に合わせて適切に効果的に流用を検討して行く必要があります。
インターネットが無かった時代は、プッシュ型メディアを駆使したメディア戦略を主流にコミュニケーション施策を構築していけばよい時代でした。
インターネットメディアが普及、発達し、スマホやタブレットなどの個別のデバイスが多様化し、SNSの発達が個人としての情報発信も容易となりました。
その結果、人間のキャパシティを超える情報が氾濫し、欲しい情報は自分で収集するようになり、広告という情報に対しては無意識にスルーしてしますような状況になってしまいました。
私もなるほどと思いましたが、「人は与えられた情報と同じ量の情報を捨てている。」と定義している方も見えます。(すいません誰の定義だったか忘れてしまいました)
それぞれのマーケティング手法はどちらも重要な施策であり、明確な目的設定の上、適切に効果的に運用、施策に取り組む必要があります。
イメージとして理解して頂くならば、プッシュ型マーケティングは、「伝えたいこと」を感性に変えて「感じて貰う」ために、プル型マーケティングは、「伝えたいこと」を「理解して貰う」ために施策運用するというイメージが、最初の大まかな理解で良いのではないかと思います。
少し具体的には、プッシュ型マーケティングは、ニーズやウォンツが既に顕在しているユーザーへのアプローチするマーケティング施策であります。
そして、コンテンツ・マーケティングは、主に潜在的な見込み客を呼び込み、顧客へ育てるマーケティング手法とも言えます。
ただ言えることは、プッシュ型の効果測定は、計測し難い戦術であり、インターネットを利用したプル型マーケティング、コンテンツ・マーケティングは効果測定が可能なマーケティング施策でもあります。
しかし、それぞれの企業によって、その必要性の割合いは変わりますが、どちらも必要なマーケティング施策であることは確かです。
様々なマーケィング施策の中で、目的に応じてコミュニケーション施策に関する、マーケティング施策を適切に効果的に運用することが重要です。
2020.09
この記事を書いた人
- 古野 徹
- 株式会社リップル
代表取締役
マーケティング・コンサルタント
広告関連企業8社に従事して36年超。
ありとあらゆる業務を経験してきたノウハウを活かし、総合広告代理店、㈱リップルを設立する。
創業15周年の通過点に向けて、新規事業として、中小企業を対象とした、「マーケティングに関するコンサルティング事業」サービスの提供を開業。
「心を大切にコンサルティングします。」を新たな基本理念に加え、
どうやって、集客していくのか、
どうやって、売り上げを伸ばしていくのか、
どうやって、新たなお客さんやサプライヤーと繋がっていくのか、
どうやって、人財を確保していくのか、
どうやって、災害や緊急事態に対応していくのか、等々、
益々、社会での存在意義を示していくことが重要な課題になってきている中小企業に対して、わかっているようで、わかっていない「マーケティング」、今更、聞くに聞けない「マーケティング」の事など、総合的なマーケティング活動の施策支援のサービスが提供できるように、絶えず精進を続けている。
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